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応募・注文用ハガキのミシン目加工

今回は、注文用ハガキのミシン目加工事例をご紹介させていただきます。こちらは手帳の広告リーフレットと注文書はがきが一体になっています。リーフレットはA4サイズです。

注文ハガキの全体写真

■今回のトムソン加工について

ヤマトでは、注文ハガキ部分に、ミシン目加工を施させていただきました。カット2mm×アンカット1mmの一般的なミシン目加工です。この製品では、ミシン目の位置に切り取り線が印字されていますので、印字線とミシン目加工がずれないよう、しっかりと加工位置を合わせる必要があります。

 

ミシン目加工が入っていれば、ハガキ部分をわざわざハサミで切り取る必要がありません。手できれいに切り離すことができます。応募や申し込みなど、お客様に何か手続きしてもらう必要がある場合には、できるだけ簡単・わかりやすい手順で手続きできることが大切ですね。

注文ハガキ りぎりかけ

また、よりちぎりやすいように加工したい場合、マイクロミシン加工という加工もございます。加工事例を掲載しておりますので、ご興味ある方はご覧ください。
匠のブログ(店舗でプリントアウトできるA4POP用紙(マイクロミシン加工入り))はこちらから>>

 

今回の製品では、4/6判 90kgマットコート紙を使用していますが、ヤマトでは薄紙のミシン目加工の実績もございます。下の画像はトレーシングペーパー45kに施したミシン目加工です。

トレーシングペーパーの全体写真 トレーシングペーパーは薄い

外枠のミシン目はカット2mm×アンカット0.5mmです。図形部分のミシン目は形によって様々ですが、カット部分を長く、アンカット部分を短く加工してあります。

トレーシングペーパーのミシン(説明)

 

カット部分を長く、アンカット部分を短くすることで、薄い紙でも、破れることなく手で切り取ることが可能になります。

トレーシングペーパーのミシン(切り取り)

 

ヤマトではありとあらゆるミシン目加工の実績がございます。ご興味がございましたら、他の実績もご覧ください。
匠のブログ(ミシン目加工一覧)はこちらから>>

ミシン目加工・トムソン加工について、ご質問・ご相談等ございましたら、お気軽に大阪のトムソン屋 ヤマト紙工までお問い合わせください。
見積もり依頼・お問い合わせはこちらから>>

 

 

■加工概要

加工内容 ミシン目加工
商品形状 応募はがき
紙の種類 マットコート 菊判62.5k
紙の寸法 菊全 8丁
印刷の色数 4/4
こだわり/現場の声 受注案件の約6割を占める薄紙のトムソン加工のなかでも、ミシン目加工は非常に神経を使う案件の一つと認識しています。

「ミシン目加工?ちぎれたらいいのでは?」と考える印刷関係者の方も多くいらっしゃいますが、決してそんなことはないとヤマトの社長は言い張ります。
■ミシン目加工 何に神経を使うのか?

①抜き位置ズレ
 →不細工な仕上がりになってしまいます
②最適な抜き圧を左右する機械調整
 →ミシン目加工の次工程が加工できない恐れあり!?

まずは①から順にご説明させていただきます。

ミシン目加工の抜きズレが生じると、印刷されている切り取り線とズレてミシン目が入ります。これは紙製品としては不細工なのです。ミシン目が入っていいれば、ちぎることはできますから、使い物ならないわけではないかもしれません。しかし、紙製品を不細工な仕上がりにしてはダメだということを言いたいのです。
ヤマトでミシン目加工を施すことの多い紙には、上質紙やマットコート紙、コート紙、トレーシングペーパーが挙げられます。
紙の厚みは一番薄くて45k程度(コピー用紙よりも薄い)、他にも55kや70k、90k、110k、135k等を日常的に加工しています。

薄ければ薄いほど加工難易度はupします。また、薄い紙でなくても、紙目や抜き加工スピードによってもミシン目加工の抜き位置精度は変わります。

不細工なミシン目加工にならないよう、例えばこんな事に注意しています

・紙目紙の特性を見定める
状況に応じて機械をセッティングする
・加工中に抜きズレを見抜けるよう、紙と機械稼働に集中し続ける

このようなことが必要になるため、非常に神経を使うのです。

ちなみに、紙目によってなぜ抜きズレが生じるかはこちらをご覧ください
トムソン豆知識(トムソン加工抜きズレ 紙目によって改善できる?)>>

続いて②の最適な抜き圧を左右する機械調整の重要性についてです。
トムソン加工において、木型と打ち抜き機にはクセがあります。このクセというのは、刷本(印刷物)の場所によって切れすぎている箇所とそうでないジャストに切れている箇所が発生するということです。
切れすぎている箇所があると、ミシン加工後刷本はその箇所だけモコッと膨れてしまいます
モコッと膨れることで、トムソン加工の次工程の断裁や折加工、製本加工、封筒加工に支障をきたすことがあります。最悪の場合、次工程が加工できず印刷しなおしてほしいとクレームがくることもありうるため、切れていたらそれでいいではなく、ミシン目加工の次工程のことも考慮して加工する必要があります。

ヤマトでは薄紙のミシン目加工中は話かけづらいほど職人は目を光らせ全身すべてを紙と機械稼働に集中して加工しています。

ヤマトの職人は確かな目線と確かな加工技術を備えています。

ミシン目加工にお困りの際は、ぜひヤマトまでお気軽に相談くださいませ。

図面