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「ダミーカード」編 ~安いトムソン加工術~

<前提条件>

印刷仕様  :サイズ違いの2種類のダミーカード(長方形型で四隅角R)を同時製作。一つは、小:巾60mm×天地180 もう一つは、大:巾100×天地180mm
用紙    :アイベストW 36k  4/0  両面グロスPP加工有
製作工程  :印刷 → グロスPP → トムソン
数量    :小サイズ10000枚、大サイズ2000枚 同時製作 の場合
展開イメージ:

            

 

見積時、まず考えることは、、、、、
①数量が決して多くなく、手のひらサイズの小さな印刷物ということから、小さな紙に少ない面付けで製作することを考える
②両面PP加工があるので、PP加工代は全体のコストの割合が高いため、通し数を減らすことを考える
③紙質も表面加工も同じ小サイズ、大サイズの2種類同時製作の場合、1枚の紙に付合せして製作したほうがいいのか、それとも小サイズ、大サイズを別々で製作したほうがいいのかを考える

考え出した製作イメージは、、、、、
①に関しては、半裁だと面付け数が多くなりすぎるだろうから、四つ切の方が望ましいだろうと想定、更に紙サイズは4/6判か菊判の四つ切が望ましいだろうと想定する
②に関しては、多すぎず少なすぎないくらいに面付け数を想定する
③に関しては、下記の通り、どちらが安いかシュミレーションしてみます

 

<印刷・トムソンの面付け別価格シミュレーション>

■小サイズ・大サイズを別々で製作した場合

 

■小サイズ・大サイズ1枚の紙に付合せして製作した場合

 

●補足説明

①コスト結果
 小サイズ・大サイズ別々での製作が高く、小サイズ・大サイズ1枚の紙に付合せでの製作のほうが安い

②どちらの製作方法が望ましいのか?
 価格重視で考えると、小サイズ・大サイズ1枚の紙に付合せで製作すること望ましいことが分かります。小サイズ、大サイズ別々で製作するとそれぞれにほぼ同額のコストがかかってしまうため、付合せで製作すべきです。
面付け数は、菊判半裁だと面付け数が多くなりすぎて、木型代が高つきますし、菊判四つ切だと面付け数が少なすぎて、また紙の無駄も出てくるので、4/6判四つ切に多すぎず少なすぎない面付け数 【小サイズ:10丁/大サイズ:2丁】これが一番紙の無駄もなく、各工程が最低ロット内になっているので、無駄のない効率よい製作方法となります。

③こういう場合、どうしたらいい?
 初回受注時は、上記の通り、小サイズ、大サイズを付合せで製作したが、2回目リピート時小サイズだけ1000枚の受注があった。
こういう場合、小サイズ1000枚だけの木型を新規でつくり製作しがちだが、それは木型代の無駄にすぎません。せっかく初めに12丁の木型をつくったんだから、それを使ったらいいのです。
木型に大サイズはありますが、小サイズだけを商品にしたらいいだけの話です。印刷は、4/6判四つ切に6丁(真ん中の6丁のみ印刷する)で印刷・PP加工・トムソン加工すると、全く無駄はありません。