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「スイングPOP」編 ~安いトムソン加工術~

<前提条件>

印刷仕様  :スイングPOP 両面PP加工有
用紙    :コート90k  4/0
製作工程  :印刷 → 両面グロスPP → トムソン
数量    :2000枚 と 10000枚 の場合
展開イメージ:

            

 

<印刷・トムソンの面付け別価格シミュレーション>

■2,000枚の場合

●補足説明

①コスト結果
 菊判四つ切に4丁 → 菊判四つ切に16丁 → 菊判半裁に32丁 の順に安い

②どの製作方法が望ましいのか?
 価格重視で考えると、菊判 四つ切に4丁付で製作するのが一番望ましいことが分かります。

③この考えは間違い
 スイングPOPの大きさは、手のひらサイズと決して大きくない印刷物。
数量が少ない場合、紙の白場部分がもったいない、面付けできるだけ面付けしよう、といった考えで、無理に紙いっぱいに面付けしてしまうと、非常にコストがかかってしまうことが分かります。上記シュミレーションでは、特に木型代とトムソンセット代の価格差が大きいことが分かります。

 木型代は、基本的に紙サイズ、形状の複雑性や面付数で価格が変動します。また、トムソン代(セット代)も同様に複雑性や面付数により価格が変動します。
今回は通し数量が少ないため、トムソン代そのものに大きな価格の違いはないですが、面付数の違いにより、木型代に大きな価格差が生じています。したがって、数量が少ない場合、紙の白場部分がもったいない、面付けできるだけ面付けしようと考えず、紙が無駄になっても仕方がないと考え、小さな紙に少ない面付けで製作することが全体のコストダウンにつながります。「小さな紙に少ない面付けで製作する」ことは決してスイングPOPだけでなく、手のひらサイズの小さな印刷物すべてに共通して言えることです。

④菊全の印刷会社さんはベビーに外注すべし
 このようなケースは、菊全で見積するとまず受注できないと思います。自社設備の稼働という考えは横に置いて、ベビーで見積することをおすすめします。

 

■10,000枚の場合

●補足説明

①コスト結果
 菊判四つ切に16丁 → 菊判半裁に32丁 → 菊判四つ切に4丁 の順に安い

②どの製作方法が望ましいのか?
 価格重視で考えると、菊判 四つ切に16丁付で製作すること望ましいことが分かります。
菊判四つ切に4丁付の場合、両面PP加工代が全体コストの半分を占めていることがわかります。表面加工がある場合は、通し数を少なくすることを考えなければなりませんので、4丁付ではトムソン代・木型代のコストは安いが、PP加工代がそれ以上に高くかかってしまうため、これでは受注できません。

見積の際は、やはり、
・仕上がりの大きさ
・表面加工の有無
をあらかじめ重点において印刷仕様を決めることが重要となります。