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製作事例|ペーパークラフト トムソン加工

 

お客様の中には作家様・クリエイター様がいて、その方々から

『こういうものをつくってほしい』とお声がけいただく事がございます。

『こういうもの』の中は今までに対応した事のない仕様や難易度が高い商品である事も多いです。

難易度の高いご注文に対応できる様
どのように製作しているかご紹介いたします。

 

 

今回ご紹介するのは

若築建設株式会社様のグラブ浚渫船「若鷲丸」のペーパークラフトです。

様々な先進機能を有した船であり、同社様では各種イベント等でPRを行っておられ、

この度ペーパークラフトを制作されました。

 

ペーパークラフトの設計は紙乃製作所のハルト様、

印刷は大村印刷株式会社様で、

弊社も含めてひとつのペーパークラフトが完成するまで様々な人が役割を担っております。

 

 

参考リンク先

 

若築建設株式会社様(若鷲丸の紹介ページ)

https://www.wakachiku.co.jp/technology/detail3.html

 

紙乃製作所 ハルト様

https://www.kamino-ss.jp/index.html

 

大村印刷株式会社様

https://www.omura.co.jp/

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実はペーパークラフトはトムソン屋泣かせのアイテムです。
トムソン屋泣かせの理由は.....

 

トムソン加工 許容範囲 0 mm


印刷する際、極僅かですが、紙の収縮が起こります。
このため、データと印刷物には若干の大きさの違いがあります。



通常、印刷物は【紙の収縮でのズレ】【断裁の際、紙の厚みでズレ】防止の為、塗り足しと呼ばれる

カットラインから周囲3mm

デザインと同じカラーを拡張し、少しズレても分からない様対策します。

ただ、ペーパークラフトの場合、折りスジを印刷の破線上に入れる事はよくあります。

もちろん塗り足しのような許容範囲はありません。
言わば許容範囲 0mm 全くズレずにトムソン加工を目指す必要があります。


折りスジも一部分のみor少量だとその部分に狙いを定めてトムソン抜くのですが、

ペーパークラフトの場合、大抵折りスジは用紙全体に入ります。

全くずらさずにトムソン加工をする

この1点だけでもペーパークラフトは難易度がとても高い商品です。

 

 

深く正確な折りスジ



ペーパークラフトを工作する人はさまざまで、対象がお子様も多いです。

誰でも簡単に作りやすくする為に、簡単にしっかりと折りやすい【深い折スジ】を入れる必要があります。


折りスジを深く入れる為には、紙の強さの限界を見極めて破れるか破れないかの強さでスジを入れる必要があります。
深い折りスジを均一に入れるのは確かな技術、思い切りの良さ、そしてセンスが求められます。

実際に折ってみると、折りやすさを分かって頂けると思います。

 

木型を作るのも大変?


カットライン・折りスジを入れる為に
形状にあわせて作られる抜き型(木型)が必要です。
ペーパークラフトはカットラインと折スジが入り組んだ複雑な形状の為、

頂いたデータ通りには刃が入らない事もしばしばあります。
その為木型製作もどこまで再現できるか限界に挑戦することになります。

 

 案外こんな鋭角が作りにくいです。

 


1つだけでなく様々な難易度の高い加工が入り混じったペーパークラフト加工ですが、


難しいからこそやりがいがある、

信用して任せてくださったお客様の期待を裏切らない!



その為、実際のトムソン加工を万全で行えるよう

木型製作前には印刷とトムソンデータが問題が無いか確認するだけでなく、

イメージ・求めている形にするため、

ご要望をお伺いし、
トムソンオペレーター・木型設計者と打合せを行い、形状・印刷の塗り足し部分の修正箇所を確認します。

 

最終データ制作後、ペーパークラフトに大切な留め(本体とパーツをつなげる部分)の製作にはいりますが、

今回は別のお話。

 

 

(こうして作られた木型が出来上がってきたら、問題が無いか確認するのも私の大切なお仕事です。)

 

そして、いよいよ迎えたトムソン加工日

先ずは、試し抜きを行いペーパークラフトの最終チェックを行います

位置がずれていないか、折りスジの深さなど...問題が無いか確認し、量産に入ります。

 

...

.........

................

位置ずれは無く、折りスジは深く、心地よく外せるフレーム.... これなら自信をもって納品できます。

 

出来上がったペーパークラフトをご覧いただき

作家のハルト様には

\\ その仕上がりにとても感激しております。 //

今回は、カット線や折りスジ線が色の境界になっているなど精度の面で難しい展開図と認識しておりましたが、ピッタリ合っていて、大変嬉しく思っております。


とご評価いただきました。

 

 

ヤマト紙工は日常的に
コンマ1mm以下の精度にこだわり、「スジ入れは折れれば良い」ではなく、薄紙でも厚紙でも
お客様の目的にあった折スジの深さを考慮し加工しています。


こうした常に高いクォリティを追求している姿勢が難易度の高いご注文にも対応できる仕組みでもあります。

今までしたことが無い、難易度が高い....

高難易度だけでなく、

印刷とかわかんないし、質問の仕方すらわからない......

初心者の方もご安心ください!!

選任担当者が、お客様に寄り添ったベストなご提案します。

どんなお悩みでも先ずはヤマトにお声がけください!

ヤマトなら何とかなります!何とかします!

 

 

 

 

 

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