今回は、リングキーホルダー用台紙のトムソン加工事例をご紹介させていただきます。
こちらは、リングキーホルダーをひっかけて使う台紙です。リングキーホルダーとは、その名の通り丸いリングがついたキーホルダーです。丸い部分に鍵を通して鍵をまとめて持ち歩くことができます。
また現代では鍵をつけずにカバンや小物の装飾として使う事もあります。
そんなキーホルダーをお店に並べる際、袋に紙と一緒にいれて並べているのをよく見かけませんか?この紙が台紙と呼ばれるものです。今回加工した台紙は、白い紙に黒色でベタ印刷してあり、表面にはPP加工が施してあります。
一見シンプルな台紙に見えますが、実はトムソン加工時に気を付けるべきことがたくさんあります。
■今回のトムソン加工について
今回は、打ち抜き(型抜き)加工、切込み加工、穴あけ加工を行わせていただきました。キーホルダーの台紙は多くの場合、フックに吊るされて陳列されます。その際、フック用の穴が必要になりますが、これはトムソン加工によってあけることができます。
また、キーホルダーと台紙を固定するための切込みも必要で、これもトムソン加工で入れることができます。
■ベタ印刷紙のトムソン加工時の注意点について
ベタ印刷とは、広い範囲を塗りつぶすような印刷のことを指します。
ベタ印刷の商品のトムソン加工を行う場合、特に注意しないといけないのは、「メクレ」です。「メクレ」というのは、紙をトムソン刃で切った後、刃を紙から外す際に紙が刃にくっついてしまい、ぺろっとめくれてしまう状態のことです。
めくれた部分は印刷されていない紙の元の色が見える状態になります。大きくめくれることはあまりありませんが、小さなメクレが発生してしまうことはよくあります。そして、ベタ印刷がされた商品の場合、メクレは目立ちやすく商品の品質を落としてしまいます。
今回の台紙はPP加工が施されていたので、比較的メクレは発生しにくかったですが、表面加工(PP加工やニス引き加工)が施されていない場合は特に注意が必要です。
ちなみに、メクレを発生させないための対策としては、以下のようなものがあげられます。
・木型の刃が紙に対して垂直であることを確認する
・木型の刃が摩耗していないか確認する
・木型のゴムの硬度を見直す
・木型のゴムの高さを変更してみる
・抜き圧を調整する
木型のゴムについては、こちら(トムソン加工におけるゴム付の重要性)の記事で詳しく紹介していますので、気になる方はご覧ください
■PP加工紙の取り扱いについて
PP加工が施された紙についても、取り扱いには注意が必要です。まずPP加工には、グロスPPとマットPPがあります。
グロスPPは表面がよりツヤっとして光沢があります。比べてマットPPはそれほど光沢感はなく、マットで落ち着いた質感をしています。
グロスPPとマットPP共通で注意すべき点は、表面のキズです。PP加工された紙は、通常の紙と比べて表面がツルっとしており、キズがつきやすい状態になっています。
特にグロスPPはキズが入りやすいため、機械に通した後キズがついていないか、よくよく見ておくことが大切です。
ツヤツヤとした紙は非常に指紋がつきやすいです。指紋がつかないよう手袋をして商品を扱うことで綺麗な状態で加工できます。
キズや指紋はぱっと見では分からないことも多く、光に反射させてみて気づく場合も多いです。非常に細かな事ですが、そこまで気をつけることが商品の品質を守ることにつながります。
以上、今回は、リングキーホルダー用台紙のトムソン加工事例のご紹介でした。
ヤマト紙工では様々な台紙のトムソン加工を日々行わせていただいております。また、特殊紙や特殊印刷・加工紙のトムソン加工も行っており、様々な紙の扱いについてノウハウがございます。トムソン加工のご相談やご依頼がございましたら、お気軽に大阪のトムソン屋ヤマト紙工までお問い合わせください。